2007年11月06日
特別展見ドコロ知っとこ!
11月3日(土)大津市打出浜の滋賀県立琵琶湖文化館で開催された特別展の展示解説会に参加してきました。講師は琵琶湖文化館の井上さん。笑顔がチャーミングな女性学芸員さんです。先ず始めに女性がどのように信仰とかかわってきたのか、その時代背景や女性の立場などについて説明があり、続いて展示室に移動して実物を見ながら、詳しく解説を受けました。
展示室には、女性が神仏に捧げた祈りの姿をあらわした仏像彫刻や絵画、書蹟など、奈良~江戸時代にかけての作品が展示されています。
【見ドコロその①】
「石山寺縁起 巻第七」(重要文化財)大津市石山寺所蔵
この絵巻物は右から左へ3つの場面が描かれています。
(お話)一人の貧しい尼の娘が親孝行のために社寺を巡り歩き石山寺にも参詣しました。しかし明らかな効きめがなかったために娘はその帰り道、大津の浦で身を売ってその代金を母の元へ送ります。打出の浜から人買いとともに舟にのりますが、にわかに黒い雲が沸き立ち湖上には高い波が出て舟は荒波にのまれ沈みそうになります。しかし娘の必死の祈りが通じたのかどこからともなく白馬が現れ、娘を助けます。

娘の心情は琵琶湖の荒波や色にも表現されていると思いませんか?!最後には穏やかに澄んだ青色で描かれており、私もホッとしました。。。
【見ドコロその②】
「訶梨帝母(かりていも)倚像」(重要文化財)大津市園城寺所蔵
訶梨帝母は鬼子母神(きしぼじん)とも言い、元は子供を奪って食らう悪鬼でしたが、釈迦によって自らの千人の子の中から末子を隠され、子を失う悲しみを諭されて、仏法と子供の守護を司る神様となりました。手には多産の象徴のザクロを持っていらっしゃいます。

ちなみにこの訶梨帝母倚像は、毎月第2土曜日曜に園城寺で催される「千団子祭り」にあわせてお帰りになるため、文化館での展示は8日までだそうです。見に行くならお早めに!
【見ドコロその③】
「熊野観心十界曼荼羅」
江戸時代、熊野比丘尼がとりわけ女性を対象に絵解きを行った曼荼羅です。各地を巡る時に折りたたんで持ち運んだため曼荼羅には幅20cmほどの折皺が見受けられます。
(絵解き)「老ノ坂」には右下から左下へかけて四季の移ろいとともに人間の一生が描かれており、赤い鳥居をくぐる赤児が成人し、頂上で壮年期を迎え、坂を下るとともに年老いていき、やがて赤い鳥居をくぐるとその先には閻魔王による裁きがまっています。針山に追い込まれる人、畜生道に落ちた人、嫉妬に狂い蛇となってしまった女性がいる両婦地獄など、様々な地獄が描かれています。

血の池地獄の近くには女性を救済してくれる如意輪観音も描かれているので・・・またまたホッと胸をなでおろした私です。
他にも極楽往生するために作られた阿弥陀来迎図もありました。中には阿弥陀様とより強い結縁で結ばれようと女性の髪の毛で刺繍した来迎図などもあり、人々のすがるような思いがよく伝わってきました。
人がよりよく生きていこうとした生へのこだわり、祈りが強く感じられた今回の特別展。
11月18日(日)までの開催です。
※今回の撮影は許可を得て行っています。館内は「撮影禁止」ですので、よ~く自分の目でご覧になって下さいね。詳しい写真は図録(1,200円)に掲載されています。
Posted by 滋賀の文化財 at 18:58│Comments(0)│TrackBack(0)
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